日仏家庭におけるバイリンガル育児~成功の秘訣&我が家の新ルール

バイリンガル育児
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こんにちは。
日本の田舎で、2人の日仏ハーフを子育て中のひろぴーです。

日仏ハーフをお持ちの方々、バイリンガル育児は順調ですか?

うちはというと、

最近、家での子供たちの会話が90%フランス語になりつつあります。
あとの10%は、母親の私が日本語を話すのでたまに日本語で返してくれます。

ですが!

母親の私がちょっと優柔不断で、家での会話を日本語&フランス語と両方話しているので「子供達を混乱させているかも」と気になっています。

そんな私の声がどこかに届いたのか、言語教育を研究している大学の先輩Mちゃんからこんな相談を受けました。

「ひろぴー、日仏家庭の母語継承の研究プロジェクトを立ち上げるから協力してくれない?

学会などにも参加しているMちゃんは、実は大学で講師もしているすごい人(ちゃん呼びだけどネ)

Mちゃんの話によると、うちも含め3家族が参加予定だそう。
我が家以外の2家族はフランス在住。

みんなそれぞれ環境や使用言語も違い、抱えている問題も違うので、各々の問題を意見を出し合いながら解決していこう、というプロジェクト。

Mちゃんの研究成果を公表することはできませんが、ひろぴ―がアドバイスをもとに実践したことなどを、日本在住日仏ハーフのママたちと共有したいなと思っています。

とりあえず、1回目のズーム会議の様子をレポートします。

 

5歳日仏ハーフ、保育園での様子は?

本題に入る前に、先日あった保育園の懇談会の様子を少しだけご紹介します。

うちには3歳&5歳の2人の娘がいますが、フランス語力が安定してきた5歳の長女の様子をお伝えします。

家では、90%フランス語で会話しているので、正直母でありながら、長女の日本語理解力&会話力について、しっかり把握できていませんでした。

なので、保育園で日本語をちゃんと理解できているか不安でした。
というのも、去年の懇談会では担任の先生に「日本語が理解できていない時があると言われたからです。
また、お友達に話しかける時も、まだぎこちない感じがしていました。

そんな不安を抱えて、参観日にのぞんだのですが

先生は「リタちゃん、日本語はしっかり理解できていますよ」と嬉しい言葉をいただきました。
でも、「言いたいことを上手く伝えられなくて泣いてしまうことが多いです」と。

言葉でうまく伝えられなくて泣いてしまう、というのは生まれつきもった、泣き虫の性格&せっかちな性格のせいもあります。

他にも

「落ちつきがない」
「できないことがあると、すぐにイヤ~!と泣いてしまう」

ということを指摘されました。

多動傾向にある長女の様子がかなり気になっていたのですが、やっぱりです。
発表会でも、じっとしていられなくて常に動いています。(目立つ)

でも、先生曰く「子供は必ず、多動or内向的のどちらかにあてはまる」そうです。

長女の様子まとめ

4歳の長女の様子:日本語が理解できない時がある/仏語かなり話せるようになってきた
5歳の長女の様子:日本語の理解力に問題なし。まだ上手く言葉に出して伝えられない時がある
        パパとの意思疎通は問題なし。

5歳になり、今まで以上に主張が強くなってきた長女ですが、2カ国語を同時に学んでいる子供は癇癪を起こすのは普通のことだと教えてくれました。

大人の私でも、フランス語がみつからず言いたいことが言えない時は、イライラしてしまいます。
子供だから、なおさらですよね。

バイリンガル育児うんぬんの前に、子供の気持ちになって考えてみることの大切さを学ばないといけないですね。

 

バイリンガル育児にみんな悩んでる?

日仏ハーフを子育て中のママさん、日仏バイリンガル育児の情報が少ない!と思ったことはありませんか?

大学の講師であり、言語の研究もしているMちゃん。
継承言語の学会に参加し、こんなことを思ったそうです。

学会ではこれだけの研究がされて、研究結果が出ているのに、一般の人に共有されていない。
困っている友人の日仏家庭のバイリンガル教育のために、専門的な知識をもつ自分が介入することが重要」

「学会に参加し、共通しているのはみんな困っている、ということ。はじめは、試行錯誤してやるけど最後は心が折れてもう無理となり、諦めている人もいる

家庭でのバイリンガル教育について研究はされているけど、それが本当に必要とする人に届いてない
アレ?日本の政治みたいですね。

言語を研究しているMちゃんと知り合い、せっかくアドバイスをもらえるということなので、少しでもあなたの役に立つことを発信できればと思います。

地方在住の日仏バイリンガル育児の実態

田舎に暮らしていますが、実は日仏家庭を3組知っています。
つい最近まで、目の前に日仏家庭がすんでいましたし(何て偶然!)

でも、どの家庭もパパとママの会話は英語だったり、パパが日本語ペラペラだったり、それぞれ状況が異なります。
それぞれの家庭が、フランス語教育にどのくらいの熱量があるのかも違います。
だから、フランス語継承教育についてはあまり話したことがありませんでした。

ネットをググっても、出てくる情報は英語のバイリンガル情報ばかり
本を読んで一般的な情報を参考に「こんな感じかな」と続けていました

 

田舎でも大丈夫!バイリンガルに育てるコツ

東京や京都のように、日仏学校のない長野県の田舎。

はたして、どうやったら日仏バイリンガルを育てられるのか

そんな疑問にMちゃんが答えてくれました↓

  • 子供にとって重要なのは、親以外も使っている言語だと認識させること
  • バイリンガル教育成功のカギはコミニュティを作ること
  • フランス語は意思疎通の道具として使っていると認識させること
  • 使う機会を増やし、他の人との繋がりを大事にする

上記の4つの点をまとめると、大事なのは

コミュニティを作り、親以外も使っている意思疎通に必要な言語であると認識させること

日仏学校もなく、家庭以外にフランス語にふれる機会がない田舎でも、実践できるのではないでしょうか?

コミュニティの作り方ですが、ありがたいことに今はネットがあるので、知り合いの日仏家庭とズームでつながることもできます。

家族以外のなるべく多くの人とつながることがキーポイントです。

言語キャンプなんかも、活動を通して言葉を交わし合い、お互い学びあえるので、バイリンガル教育ではいいようです。

個人的に、田舎で暮らしてるひろぴーは、言語キャンプは日仏家庭&フランス語話者を募って、いつかやってみたいなぁと思います。

1言語1話者のルールは絶対にバイリンガルになれるの?

バイリンガル育児に成功するコツとして、よく言われるのが1言語1話者のルールです。

Mちゃん
1言語1話者のルールはあるけど、例えば小学校で日本語をたくさん話すようになると、日本語を話せないパパに対して見下すようになる

小学校にあがると、段々日本語を話す機会が増えていき、子供達がフランス語を話すことを面倒くさいと感じ、話さなくなる可能性があるのです。

うちの場合、夫の日本語力は悲しいことに4歳くらいのレベルです。
もし、娘たちがフランス語を話すことを面倒くさいと感じれば、将来パパとの意思疎通ができなくなります。
それだけは、絶対に避けたい!

バイリンガル育児は、十人十色です。
それぞれの家庭で環境が全く違うので、こうしたら絶対にバイリンガルになれる、というひな形がありません。

だからこそ、各家庭の状況によって、家庭内の言語ルールをかえていく必要があるんですね。

 

バイリンガル成功への第一歩!我が家の新ルール

Mちゃんいわく、子供をバイリンガルに育てるうえで一番大切なのは

ファミリー・ランゲージ・ポリシーをしっかり決めて、親が努力すること

バイリンガル教育におけるファミリー・ランゲージ・ポリシー(FLP)とは?

簡単にいうと「2カ国語以上を話す家庭環境で育つ、家族内での言語ルールと計画」です。

FLPは言語文化の多様性に直結することから、“family”こそが子どもの言語習得に多大な影響を及ぼす動的な場であるととらえている
引用元:MHB学会

バイリンガル教育は、 親がどの程度のレベルを望んでいるかがとても大事です。

私達が子供たちに望んでいるフランス語レベル
家族との意思疎通を問題なくでき、フランス語の読み書きができる

これをふまえて、

Mちゃんのアドバイスを参考に変更した、我が家の新ファミリー・ランゲージ・ポリシーはこちら。

・今までの我が家のルール:パパとはフランス語、ママとは日本語、家族の会話はフランス語
→家での会話は完全フランス語(ママともフランス語)
→外でも、パパとの会話はフランス語
・就寝前に、フランス語の絵本の読み聞かせ

家での会話は完全フランス語

実は、数カ月前にMちゃんから「ひろぴーも子供達との会話はフランス語にした方がいい」とアドバイスをもらっていました。

でも、その時はふみきれなかったんです。

その理由は、

・間違ったフランス語を教えたくないから
・フランス語では伝えられないこともあるかもしれないから

子供たちが成長するにつれて、話す内容も複雑になっていきます。
フランス語で説明するには、語彙力が足らない!ということも増えていくでしょう。

そんな時のために「子供たち日本語で話せる余地を残しておきたい」という思いから、なかなか子供たちとの会話を100%フランス語に切り替えることができませんでした。

そんなひろぴーに、Mちゃんはこんなアドバイスをくれました↓

親も勉強している姿を見せることが大事 
お母さんも学んでいるから大事な言語なんだ、と認識させる

あまり気にせず「ママもフランス語を一生懸命勉強しているんだ、だから大事な言語なんだ」と認識させることが重要みたいです。

というわけで、

分からない単語はパパに聞きながら、「まちがってもいい」から家庭内での会話を完全にフランス語にすることにしました。

また、今までは家の外では、パパと日本語を話すこともあったようです。
これからは、家の外を出てもパパとはフランス語を徹底していきます。

なので、もちろん保育園でのパパとの会話もフランス語。
保育園や周りに、理解してもらうことが大事なので、次の懇談会で話してみようと思います。

本の読み聞かせは大事

バイリンガル育児にかかわらず、子供の本の読み聞かせは大事ですよね。

バイリンガル育児においても、本はとても有効。音と文字を同時に認識させる効果があるようです。

ということで、Mちゃんのアドバイスを参考に、フランス語の本の読み聞かせを実践していきます。

ところで、フランス語絵本を選ぶ基準がよくわかりませんよね?
うちはとりあえず、知り合いの日仏家庭からフランス語の絵本をいただいたので、1冊づつ制覇していきます!

どんな本が子供の反応がよかったか、またご紹介しますね。

 

バイリンガル育児成功例

最後に、

今回Mちゃんのプロジェクトに参加している、私の先輩でもある日仏ハーフを育てるHさんから教えてもらった、バイリンガル育児方法をご紹介します。

Hさんはフランス在住。お子さんは、現在中学生。子供達は日本語会話&読み書きは問題なくできます。

日本人であるHさんとの会話は日本語
中国人のパパとは中国語
学校&家族の会話はフランス語

トリリンガル家庭です。

Hさんの、実践してきたバイリンガル育児法はこちら↓

・生まれてから6年間は日本語を頑張ろうと思い「ですます調の短い日本語」を使うようにした
・日本語を話せることは将来武器になり、役に立つことを教えた

子供が理解しやすいように、言葉をつなげてダラダラ話さないように注意したそうです。
× 例「だからさぁ、~でしょ」

短い言葉で話すことで、子供も理解しやすくなりますね。

そして、日本語の重要性について説明し、絵を描いて冷蔵庫に貼っていたそうです。

やっぱり、子供をバイリンガルに育てるには、親の努力が必須だと感じますね。

 

まとめ

「せっかく、2カ国語を学べる環境に生まれたのだから、やっぱり話せるようになってほしい」

ハーフの子育てをするママは、みんなそう思っているのではないでしょうか?

でも、実際やってみると「これでいいのか?」という疑問がわいてきます。

そんな不安を吹っ飛ばしてくれたのが、Mちゃんからの1通のメールでした。

そんなMちゃんから教えてもらった、バイリンガル育児、成功の秘訣は、こちら↓

  • 子供にとって重要なのは、親以外も使っている言語だと認識させること
  • バイリンガル教育成功のカギはコミニュティを作ること
  • フランス語は意思疎通の道具として使っていると認識させること
  • 使う機会を増やし、他の人との繋がりを大事にする

そして、我が家の家庭内での新ルールはこちら↓

・今までの我が家のルール:パパとはフランス語、ママとは日本語、家族の会話はフランス語
→家での会話は完全フランス語(ママともフランス語)
→外でも、パパとの会話はフランス語
・就寝前に、フランス語の絵本の読み聞かせ

私自身、言語に興味があり大学でフランス語を勉強していました。
4年間学んだのにもかかわらず、卒業しても全く話せませんでした。

今、子供達は2カ国語を話しはじめています。
辞書で単語の意味を調べるわけでもなく、生活の中で生きたフランス語を自然に学んでいます。

これは、本当に凄いことです。

Hさんのいうように、子供達にとって、日本語以外の言語を話せることは、将来子供たちの武器になると確信しています。

せっかくはじめたバイリンガル育児、各家庭にあう正しい方法を知り、仲間と出会い情報を共有することが大事だと改めて感じました。

2カ国語を話せることは、将来子供達への大きな財産になるはずです。

そして、Hさんのお子さんの様に、バイリンガル環境で育つと、3カ国語目、4カ国語目……の習得も速そうですね。

では、また次回、レポートしますね。

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