日本の田舎で、日仏バイリンガル育児に奮闘中のひろぴです。
といってもそんなに奮闘もしていませんが(苦笑)
ここ数カ月、色々ありまして全く更新ができていませんでした。(この事についても、また改めて記事にしたいと思います)
つい最近、来年小学校に入る長女の1回目のオリエンテーションがありました。
現在5歳10カ月になる長女の最近の様子も含め、記録しておこうと思います。
長女は今、保育園の年長さん。そして、保育園の園長先生から直々に、日本語の発達検査を受けるよう指摘がありました。
日本語の遅れについて、専門家の先生に検査をしてもらうことになったんです。
果たして、日本語の遅れの理由は?
・本人の言語発達の遅れなのか?
発達検査とその診断結果、面談の様子をご紹介します。
日仏ハーフを育てているママパパの参考になれば嬉しいです。
こんな方に向けて、記事を書いています。
・多言語環境で子育ち、言語の遅れが気になる
・来年小学校に入学するけど、言葉の遅れが心配
・地方在住・田舎暮らしで、外国人へのサポート体制がない地域に暮らしている
言語発達検査の診断結果
3歳になって、ようやく日本語とフランス語が話せるようになった長女。それでもやはり他同年齢のお友達に比べると、つたない日本語に聞こえてしまうとは思っていました。
そんな中、来年小学校に入学する長女の日本語力を心配してくれた園長先生から直々に言語発達検査を受けるように言われました。
発達検査をした時点で、長女は5歳10か月。
検査の結果は、
・日本語能力は3歳
日本語能力が平均より3年ほど遅れていました。
「まぁ、なんとなく予想はしていたけれど……」でも、実際に数字で言われるとショッキングですね。
小さい頃から癇癪がひどく、じっとしていられない多動傾向が強い子でした。
家族や友人から「発達障害」を疑われることもしばしばあり、「何かあるんじゃないか?」という疑問は常に持っていました。
でもなぜか、今までの謎が解けたように発達検査の結果を聞き、スッキリしたというのも本音です。
そして、長女の強み&弱みについても、詳しく教えてもらいました。
具体的な長女の日本語レベル
言葉の概念が少ないと指摘されました。
(例1)リンゴとバナナの共通点は?
長女の回答:木の上になっている
「果物」という言葉が出てこない。
(例2)自転車って何?
長女の回答:タイヤがついている
「乗って、こぐもの」という具体的な使い方を示す言葉がでてこない。
「もの」を表現する語彙が少ないことが、平均より3歳遅れていると判断されたようです。
長女の強み「視覚からの情報処理が早い」
長女の強みは、「視覚能力にたけていて、目から入る情報処理能力に優れている」ことだそうです。
専門家の先生によると、子供には、情報を処理する方法に、得意・不得意があるそう。
- 視覚優位
- 聴覚優位
- 体感覚優位
うちは完璧に視覚優位タイプです。
保育園の先生からも「視覚から入るタイプ」と言われていました。
家でも、何度話しかけても返事をしなかったり、聞こえてないのかな?ということが日常茶飯事。
検査の診断結果を聞いて、大きくうなずいてしまいました。
視覚優位タイプの子は、言葉での説明よりも実際に、黒板の字を見た方が理解しやすいそう。
長女は、絵を描くことが好きなのですが、言葉で表現したいことを頭の中で物語を作りながら絵を描いています。
長女にとっては、頭の中の映像を表現するのが言葉でなく絵なんだと思います。
視覚優位の子供におススメの本を教えてもらいました。
「ことばつかいかた絵じてん」という様々な語彙をイラストで説明している本です。
「イラスト付きで、楽しく日本語を勉強できる本ないかなぁ~」と思っていたところ、保育園の先生からおすすめしてもらいました。
視覚優位の長女は、目から入る情報は取りいれやすいので興味を持って毎日見ています。(そのうちに、イラストの真似そして絵を描きはじめましたが(苦笑))
長女の弱み
長所と短所は一長一短な所がありますが、長女の場合、視覚情報をキャッチしやすい分、目に入ってくる情報に気がちりやすいそうです。
例えば、宿題をする時に、おもちゃのある部屋ですると気が散って集中できない、など。
視覚優位の長女の場合は、勉強部屋に何もおかず殺風景くらいの部屋でちょうどいいんですね。
気が散りにくい環境を整えてあげることが大事なようです。
学校や家での対策は?就学前準備は必要?
診断結果を受け、相談員の先生からこんなアドバイスをもらいました。
①単語の概念を広げる
(例りんご
→赤くて丸い
→果物
②物事を詳しく伝える
(例)これで掃いてね
→このほうきを使って、端から端まで掃いてね
就学前の子供への言語サポートはあるの?
今回の発達検査を受けて、小学校に入る前に少しでも日本語の語彙を増やしてあげたいな、と私も今さら真剣に対策をしようと思いついたのが公共のサポートです。
親である私がまず一番に時間をとって、娘と向き合う必要があるのは分かってはいるのですが、家での会話がフランス語の我が家にとって、完全に日本語環境にするのは簡単ではありません。
長女と同じ5歳の男の子をもつ、フランスで暮らす友人に、子供の学校での様子を聞いてみました。
フランスにおける就学前の子供への言語サポート体制は?
フランスで暮らす私の友人は、夫がイタリア人。5歳になる男の子がいます。
その子は、3ヵ国語環境で育っています。
・ママとはフランス語&日本語
・学校ではフランス語
・夫婦の会話はフランス語
集団で行うフランス語検査には問題はなかったようですが、知らない言葉や言い回し、集中力が気になるので週2回phonologieというフランス語の音に慣れるサポート授業を受けていました。
全部学校でオーガナイズしてくれ、多言語環境の子が数人いる少人数グループで授業を受けていたようです。
小学校に入ってからも同様のサポートが受けれるのだそう。
学校からは「学校はフランス語を強化するから、家では日本語&フランス語続けてね」と言われていると話してくれました。
友人は「フランスにはルーツが入り混じった子が多いから、公立の学校でもサポート体制がちゃんとしている」と言っていました。
日本にもあるの?就学前の子供への言語サポート
友人からフランスの状況を聞き、日本にも就学前の子供向けの授業があるのか?と調べてみました。
もしかしたら……という期待で調べてみましたが、私の暮らす村にはご想像の通りありません。隣の市には、小学校で受けれる言語サポートはあるようですが、就学前の子供への言語サポートは探したところありませんでした。
日本はやはり……その辺のサポート体制が遅れています。
日本の学校教育自体が多言語環境で育つ子供を受け入れる体制になっていない、というのが今の日本の現状です。
どちらかというと、日本は「まずは、家での会話を大切に」という感じです。
でも、家族の会話がフランス語の我が家は、家で完全に日本語環境にするのは難しいのも事実。
環境をガラリと変えて、日本語を楽しく学んでくれたらいいなと思ったのですが……私の探す限りありませんでした。
日本での日仏バイリンガル教育の難しさ
地方だから多言語環境の子供へのサポートがないのか?それとも日本だからなのか?
フランスの様に他民族が住む国と比較しても仕方ないのは分かってます。
ただ、友人の話を聞いてしまうとやはり「日本で日仏バイリンガルを育てることは簡単じゃないな」と思ってしまうのも事実です。
周りの日仏家庭では、小学校に入ってからフランスに帰国したり、京都にあるフランス語のインターナショナルスクールに通ったりしています。
やはり、思うところがあるんだな、というのを感じます。
まだ小学校に入っていないので何とも言えませんが「言語の遅れだけで色々なことを判断してほしくない」と思います。
親としては、足りない部分を平均に持っていくよりも、得意なこと&好きなことをとことん追求していってほしいです。
色々な可能性を探ってみようと思い始めています。
とりあえず、多言語環境で育つ長女についてもっと理解をしてもらうために、小学校に入る前に一度、長女のクラスに夫婦で出向いて、絵本の読み聞かせを日本語&フランス語でやろうか、と話しています。
【日仏家庭の皆さんへ】
英語バイリンガルとはまた全然違う悩みを抱えているであろう、日仏ハーフをお持ちの日本人ママさんたちと情報共有ができたら嬉しいです。
「うちの子はこうだったよ」
「こんな方法なら○○だよ」
「情報を共有できる仲間がほしい」
何でもいいので、ご意見いただけると嬉しいです。
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