こんにちは、ひろぴです。
Twitterでたまたま知った原貫太さんの講演会に参加しました。
「国際協力師」という肩書きを持つ原さんは、アフリカの貧困、世界・日本の社会問題についてyoutubeで発信している方です。
主催は、若者条例を作り「若い人の声を市政に生かしたい」と、若者の活動を応援している大阪府富田林市。
実は、原さんのyoutubeを以前からよく視聴していました。アフリカの貧困・紛争問題、世界・日本の問題をとてもよく掘り下げていて、実体験からの説得力のある話がとても勉強になると思っていました。
youtubeでは、視聴者が一方的に原さんを見ているわけですが、講演会では質疑応答の時間もあり、とても臨場感のある話を聞くことができました。会場の質問に対して、とても的確な答えを迷わずにお話されていて、かなり勉強されているのだろう、というのが伝わってきました。
原さんが講演の中で伝えてくれた、アフリカの貧困や国際貢献のお話、講演内容はざっくりとこんな内容。
- 普段、どんな活動をしているのか?
- アフリカの貧困問題
- なぜ国際協力を仕事にしようと思ったか
- 社会貢献を仕事にするためのスキル
- SDGSの前に考えること
- アパレル業界の闇
- 古着リサイクルの不都合な真実(原さんのyoutobe動画)
原さんの講演内容を全部要約すると、かなり長くなってしまうため、約2時間近い講演の中で、特に印象に残ったキーワードを自分なりに深堀りしてみました。
私は、専門家でもないですし、国際協力に携わったこともありません。
ただ、外国人夫のルーツがアフリカで、今はアフリカの歴史について夫とyoutubeで勉強をしています。(チャンネルはフランス語ですが、記事の最後にリンクを貼りますね)
植民地時代に受けた黒人奴隷の悲惨な実話、実際に夫が受けた差別の話、差別と闘った黒人たちの映画、それらを知る度に憤りと悲しみが止まりません。
ずっと、その気持ちを言語化したいと思っていました。
原さんが、最後に情報発信の大切さを教えてくれたので、一度、自分の頭の中を整理する意味も含めて、アフリカについて知っていることを自分なりに理解している範囲で言語化してみました。
私の様に何も知らないところからでも一人一人の’’知ろうとする気持ち’’が世界をいい方向に変えていくエネルギーになると思います。
この記事を読んでくれたあなたのアフリカ・世界の問題に目を向けるキッカケになりますように。
*原さんのお話をまとめたのではなく、原さんのお話で私が感じたことをつづっていますので、あしからず。
原貫太さんの講演で気になったキーワード
原さんが今まで見て、聞いて、体験してきたアフリカの真実。実体験に勝るものはないな、と感じました。「社会貢献をしたい」と思っていても、ここまでアクションを起こして活動をしている人は、なかなかいないんじゃないかと思います。
「原さんが目にしてきた不都合な真実とは?」
「遠いアフリカの地で何が起こっているのか?」
現地で実際に活動してきたからこそ見える原さんの視点は、何不自由なく暮らしている日本の人たちこそ意識して考えていかないといけない問題だと感じました。
前置きが長くなりましたが、原さんの講演で気になったキーワードをご紹介しながら、自分が感じたことも書き留めます。
片方の手で助けようとし、もう片方の手で貧困を作りだしている
今回のイベントで一番印象に残った原さんの言葉がコレ。
「片方の手で助けようとし、もう片方の手で貧困を作りだしている」
今の世界・社会の構図をそのまま言葉にしていますよね。
私が感じるのは、この構図は「たまたまそうなった」のではなく「意図して作られている」ということです。
「あなたが抱くアフリカのイメージは?」と聞かれたら、だいたい多くの日本人がアフリカに対し「貧しい国」というイメージを持っているのではないでしょうか?
そして誰も「そもそもアフリカはなぜ貧困なのか?」ということは疑問にも思わない。
アフリカが人類の起源というのは紛れもない事実ですが、なぜアフリカ大陸に生命が誕生したのか?
それは、きっと生命が生まれるのに適した豊かな国だったからではないでしょうか。
アフリカはなぜいつまでたっても貧困なのか?
アフリカが今も貧困である理由は
- 地球一の「資源大国」であること
- 実はとても高い文明を持っていたこと
西欧人がアフリカ人に出会った時、かなり高い文明を持っていたと言われています。
ピラミッドを例にとっても、今もなお解決できないことがいっぱいあります。西欧人がアフリカ人を虐殺せず、植民地化しなければ今頃私達は宇宙を旅していたかもしれません。
今世界を牛耳る西欧人たちにとって、そんな高度な技術をもったアフリカの人たちが恐怖だったのかもしれません。
アフリカは、本来とても豊かな国。それゆえ、アフリカの豊富な資源をタダ同然で手に入れようと西側諸国の人がやってくるわけです。(黒人奴隷は今も続いています)
そう、アフリカの貧困の一番の理由は「西側諸国の搾取」。
今も15カ国の植民地を持ち続けるフランスの搾取は続いています。そして、アフリカにあるフランスの植民地は、今もフランスに「植民地税」を払い続けています。その額53兆円ともいわれています。
搾取し続ける国がいる限り、アフリカは貧困のまま。(根っこを取り除かないと、いつまでたっても雑草はもの凄い勢いで成長し続けます)
SDGsの前に考えることとは?まずは自分の足元を見よ
最近よく耳にする「サステナブル」と「SDGs」についてのお話もありました。
サステナブル(Sustainable)な社会 = 持続可能な社会
SDGs = Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」
今回の講演のテーマでもある「SDGs」、原さんが執筆された著書「あなたとSDGsをつなぐ世界を正しく見る習慣」のテーマでもあります。
SDGsのお話しの中で、「古着のリサイクル」「スマホ」についての説明がとても衝撃でした。
善意のつもりが…古着のリサイクル問題
善意でしている寄付がアフリカの人を苦しめているとしたら?
よく耳にする「ファストファッション」が大量生産・大量消費を産み、様々な問題を引き起こしています。
ファストファッション = 流行を取り入れた商品を定価で売り、短期間のサイクルで生産、販売するファッション
私も数年前までは「安いから」という理由で、ユニ○ロを利用していました。今はお店に入ることもありませんが、あんなに大量の服を買う人がいるのだろうか?と思います。
原さんによると日本では、年間10億着の新品服が廃棄されているそうです。作りすぎですよね!?
ユニ○ロなどでよく目にする「古着回収ボックス」。寄付したことがある人も多いのではないでしょうか?
原さんの本の中でも詳しく紹介されていますが、私達がよかれと思ってしていた寄付がアフリカの人たちを苦しめていたとしたら?
寄付するかどうか、一度立ち止まって考えてみる必要がありそうです。
アフリカにおける古着リサイクルの問題点について、原さんは以下のように説明してくれました。
- 「寄付」「リサイクル」の名のもとに、良かれと思ってやっていた寄付によって、アフリカがいつまでも経済的に自立することができず、健康問題がなくならない根本的な原因を作っている
- アフリカに輸入されている古着の量は、毎週1500万着
- ファストファッションなどの品質の悪い古着が占める割合も増え、最終的に埋め立て地へ。先進国の古着の捨て場がなく、アフリカが捨て場になっている。近年ではその量が多すぎるがゆえに海に流れでており、環境問題を引き起こしている。
また、「SDGsという流行語」が先走りして、企業もSDGsを意識すれば売れるというただの人気とりになっている、と。
まずは、「SDGs」を提唱している国連加盟国の国々が大量消費をやめないといけません。
資本主義の世界で暮らしている私達は、大量生産・大量消費に慣れ過ぎてしまったのかもしれません。着られなくなった服を回収してアフリカに送る前に、大量に作らない努力と「少量で、いいモノを、適切な価格で購入する」ことが大事なんじゃないかと思います。
また、SDGsを実現するためには、社会の構図自体を変えないと到底無理のような気さえします。まず、てっぺんの人だけが恩恵を受けている今の社会構図では、いくらきれいごとを並べても無理。
以前、原さんがyoutube動画の中で、こう言っていました。
「値段が高くてもいいモノを長く着る」
私達消費者は、いいモノを長く持ち続ける努力が必要です。
電化製品なども、長く使用できる技術を持っているはずですが、消費を促すためにわざと持ちの悪い製品を作っている気がします。(そう感じているのは私だけではないはず)
普段の生活からできることを意識して行動に移す、今日本で暮らす私達にできることはここからなんじゃないか?と思います。
スマートフォンに隠された真実とは?
質問です。
①日本を含めて先進国といわれる国々が、スマホの原料、服の原料コットンをどこから輸入しているか知っていますか?
②スイスやベルギーなどがチョコレートで有名ですが、その原材料であるカカオはどこから輸入されているでしょう?
➂そのチョコレートの原料であるカカオの原産地で起きている問題をご存じでしょうか?
この①~➂の質問に答えられる日本人はどのくらいいるのでしょうか?
世界のカカオ生産の約7割を占めるのが西アフリカ、そこで問題になっているのが児童労働の問題。
コートジボワールとガーナで156万人の子供達が働かされているそうです。
「児童労働のないカカオ生産地」実現のために NGOと企業ができること
「商品」を手にとった時に、そこまで考えてみると様々な疑問が浮かびあがってきます。
そして、今や私達の生活にかかせなくなった「スマートフォン」。
原さんは、スマートフォンに使われている「レアメタル」についての問題にもふれていました。
産出はロシアや中国、アフリカなど特定の地域に偏在しており、供給不安や価格変動のリスクが常にある。世界的な電気自動車(EV)シフトで需要が高まるコバルトは、生産量の7割近くをコンゴ民主共和国が占める。安定供給に課題があるほか、児童労働を使った採掘をしている現場もあると指摘されており、コバルト利用には人権面の課題もある。
引用:日本経済新聞
原さん
「有毒ガスを吸い込んでしまったり、そういったところなんですけれども、こういった場所で一日例えば12時間労働者としてもらえる賃金は日本円にすると大体100円です」
1日12時間労働、賃金100円、有毒ガスを吸い込み危険
ハッキリいいます。
私達の便利な生活は、アフリカやその他の発展途上国人の人たちの命と引き換えに成り立っています。
彼らの人権を無視し、命を奪い、そこまでして私達は便利な生活をおくらないといけないのでしょうか?
この真実を世界のすべての人が知れば、世界は少し違う方向に動いていくのかもしれません。
ここまでくると、黒人奴隷制度が今も続いていることがハッキリとわかります。
ちなみに、レアメタルの67%近くを占めているコンゴは、フランスの植民地です。
1395年ごろから1914年まで、コンゴ王国が繁栄していた。
15世紀末のポルトガルを嚆矢にヨーロッパ列強が進出し、末期には分割植民地化された。
引用:ウィキペディア
今は、3カ国に分割されているようです。コンゴも、ヨーロッパの人たちによって、植民地になってしまったんですね。
アフリカの貧困問題は、植民地の時代からずっと続いているわけです。
これこそ、原さんの言う「片方の手で助け、もう片方の手で貧困を作り出している」のではないか?
一般的に豊かな国とされる「先進国」は、アフリカの資源がなければ、先進国になれないのですから、アフリカを解放してあげることはできません。
日本もです。
統治しやすくするための「分割統治」
ヨーロッパ人が侵略してくる前は、アフリカはもともと一つの大きな国でした。また、世界地図では縮小されていますが、実際のアフリカの面積は、私達がよく目にする世界地図の3倍の大きさがあると言われています。
ヨーロッパ人がアフリカ統治を容易にできるようにしたのが「分割統治」(Diviser pour mieux régner)
アフリカ大陸はヨーロッパのわずか7カ国の国によって分割統治されました。
アフリカ分割(アフリカぶんかつ)とは、1880年代から第一次世界大戦前の1912年までにかけて、ヨーロッパの帝国主義列強によって激しく争われたアフリカ諸地域の支配権争奪と植民地化の過程のこと。
1912年にイタリアがリビアを獲得したことによって、リベリアとエチオピアを除くアフリカの全土がヨーロッパのわずか7か国によって分割支配された[1]。
引用:ウィキペディア
アフリカを分割することで、アフリカ人同士の間で争いが起きやすくなり、ヨーロッパ人に矛先が向かうのを避ける、というのが狙いです。(分割統治)
1994年、東アフリカのルワンダで起きたジェノサイド(大虐殺)を知っていますか?
映画「ホテルルワンダ」を知っている人もいるのではないでしょうか。
【ルワンダの大虐殺】
根っこを引き抜いてみれば、外からきたヨーロッパ人がアフリカをめちゃくちゃに乱したからではないのか?
豊富な資源をアフリカ人自らの手で管轄できれば、貧困になどなるはずがない。気候的にも、十分な食料が供給できるはず。
アフリカは、少なくとも10万年は鎖国状態でも(他国から輸出入をしなくても)国を維持できると言われています。
そう、アフリカ人が先進国の援助を必要なのではなく、私達先進国がアフリカを必要としているのです。
アフリカの人たちは、先進国のように大量生産・大量消費をせず、自然をリスペクトしながら上手く自然と付き合っていける、そういうマインドを持った人たちだと思います。
ちなみに、日本人は気にもしたことがないかもしれませんが、全人種の祖先はアフリカ人です。白人、アジア人、など他の人種が誕生する前から地球に暮らしていたアフリカ人は、何億年という年月をかけて、地球のサイクルを研究し、年月、時間の定義を作りました。
アフリカ、自由への戦い
現在アフリカにあるフランスの植民地は15カ国。フランスの植民地であるアフリカの国の大統領を決めているのはフランスです。正確にいうと、フランスによって教育された大統領です。一国の主にフランスの息がかかってしまっているんだから、そりゃどうにもならない。
最近、フランスの植民地だった「マリ」がフランスの支配から完全に独立しようと戦っています。マリに続いて、ギニアや他のフランスの植民地国であるアフリカの国々も。
これは余談ですが、夫がフランスに住んでいた時に、引っ越しなどのキツイ仕事をしていたのはいつもアフリカ人だったそう。しかも、彼らはアフリカでは仕事がなく、フランスに出稼ぎにきていたちゃんとディプロムを持った弁護士や医者。高級レストランで働くビザのないアフリカ人や早朝の地下鉄は黒人ばかり。
白人と黒人は、スタート地点からして違う。そして、与えられるチャンスは限りなく少ないのです。
「なぜ祖先は白人たちによって、植民地化されてしまったのか?」
こんな疑問を投げかけるアフリカの人たちに、あるアフリカにルーツを持つグアドループ島の文化人類学者はこのように答えています。
「地球のエネルギーが弱くなっていた」
つまり、黒人奴隷の時代、エネルギーが弱くなっており、抵抗できなかった。(アフリカにおける「気のエネルギー」の話は、またいつかの時に言語化します)
しかし、今は風の時代と言われていますよね。何百年と続いていたネガティブな負の地球のエネルギーが異なるステージに向かおうとしている転換期にあるのです。
だからこそ、今アフリカの人々は本当の自由を求めて戦っているのです。(日本では放送されていないけどね)
アフリカが自分たちの手で国を動かすことができると、私達日本人の生活はどう変わるのか?
先ほどご紹介したスマートフォンに使用されている「レアメタル」の価値に値するお金を、先進国である私達がアフリカに支払わなければいけなくなるかもしれませんね。すなわち、今まで安価で手に入れられたモノの値段が上がり、日本人の生活にも影響してくるのではないでしょうか。
そんなことまで考えると、アフリカ、世界で起きていることを無視してはいけないと思うのです。
悪意は善意でかくされている
原さんのお話の中で、これも核心をついた言葉で心に刺ささりました。
「地獄への道は、善意によって舗装されている」(ヨーロッパの諺)
原さんの講演テーマでもある「SDGs」、制定したのは国際連合です。(「国連」United Nations )
国連の目的は、次の三つである(国連憲章1条)。
- 国際平和・安全の維持
- 諸国間の友好関係の発展
- 経済的・社会的・文化的・人道的な国際問題の解決のため、および人権・基本的自由の助長のための国際協力
国際連合は、第二次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟(1919年–1946年)の反省を踏まえ、アメリカ合衆国、イギリス、ソビエト連邦、中華民国などの連合国(the united nations)が中心となって設立した
引用:ウィキペディア
国連の目的、どれも達成されていないのでは?
なぜ国連は、フランスのアフリカ植民地支配・略奪・虐殺を見て見ぬふりをしているの?
それは、自分たちもアフリカの資源を安価に手に入れられるからなのでは?
先進国が豊かに生きていくために、アフリカはその犠牲になっている。アフリカが原材料を正規の値段で、先進国に売買すると私達の生活はどうなるのかは容易に想像できる。こんな安価な値段では買えないし、何不自由なく暮らすこともかなり難しくなると思います。
国際協力を仕事にしている人がいて、それを収入の糧として生きている人がいる限り、アフリカの貧困問題はなくならいのではないか?
原さんが、どこにも所属せずにフリーランスとして国際協力を仕事としている理由もわかるような気がします。
とかく、どこかの組織に入ると色々な圧力やルールがありますよね。(ですよね、政治家のみなさん?)
援助ではなく、自立を、そして教育を
ヨーロッパ勢力のアフリカ進出は15世紀、19世紀に入り、産業革命が進み奴隷貿易を禁止したそうです。その後は原料の供給地として、アフリカの植民地支配を目指す政策へと大きく転換。
なんと、アフリカで植民地を免れたのは、リベリアとエチオピアだけです。
当時の植民地支配国(イギリス、スペイン、フランス、イタリア、ドイツ、ベルギー、ポルトガル)は、アフリカの豊富な資源を交渉して対価を支払うのではなく、武力で自分たちのものにしようとしていたんですね。
支配国は、今も昔も同じことを繰り返しているわけです。
ウィキペディでは「アフリカ分割」についてこう記しています。
アフリカの人々は自分達より人種的・文明的に劣等であるという意識を強烈に持つようになっていた[2]。こうした考えを抱いたヨーロッパの人々にとって、アフリカ現地の人々を支配下に組み込み、ヨーロッパ式の宗教、政治制度、言語、文化を「与える」ことは、未開な人々を文明化する行為である(altruism)とみなされ、植民地獲得は文明の名のもとに正当化された。
引用:ウィキペディア「アフリカ分割」植民地獲得は文明の名のもとに正当化された。
特に、これを読むといつの時代も彼らのやっていることは何ら変わっていないと感じます。
「アフリカ現地の人々を支配下に組み込み、ヨーロッパ式の宗教、政治制度、言語、文化を「与える」ことは、未開な人々を文明化する行為である(altruism)とみなされ、植民地獲得は文明の名のもとに正当化された」
特に、フランスは今もアフリカを統治している、世界で唯一の植民地を持ち続けている国です。
今もアフリカから植民地税を吸い取り、寄生虫のようにアフリカから手を引かない国。教育についても、自国の歴史ではなくフランスがいかに素晴らしい国であるかという、洗脳させるための教育。
「アフリカの人々は自分達より人種的・文明的に劣等であるという意識を強烈に持つようになっていた」
これでは、ますます自己肯定感が失われてゆき、抵抗すらできなくなります。まずは、未来を担う子供達に「アフリカの文化や素晴らしさ」を教える教育が必要ですね。
黒人に植え付けられている闇の深さ
余談ですが、「黒人に植え付けられている闇の深さ」についてこんなエピソードがあります。
夫の故郷(フランス海外県マルティニーク島)で、2009年~2010年「マルティニークの人たちに決定権を与える」選挙がありました。それまでは、マルティニーク島の政治はフランス政府が牛耳っていました。この選挙で勝てば「行政の決定権などをマルティニークの人に委ねる」というとてもとても大事な選挙でした。
しかし、黒人奴隷時代に植え付けられた闇は深かった。
フランスは「すべての支援を打ち切る」という恐怖心を煽り「フランス政府がいないと自立できない」と、マルティニーク島の人たちを不安にさせました。その結果、マルティニーク島の人たちは「自由になる」選択をできず、今もフランスに牛耳られたままです。
夫の祖母はとても熱心なカトリック信者です。この「宗教」という洗脳はとても危険だと感じます。本来の問題を冷静な目で見ることができなくなる、それはきっと支配国にとってはとても都合のいい洗脳薬だったに違いありません。
カトリックは、信じこませるための罠。まさに「片方の手で助けようとし、もう片方の手で貧困を作りだしている」といえます。
夫も小さい時、教会に行くことが義務で嫌だったと言っていました。夫は小学生ながら、学校で学ぶことに違和感を抱き「嘘」だと気がついていたようです。そして夫は、とっくの昔にカトリック信者をやめて、自分のルーツアフリカの哲学を学んでいます。
夫は、日本人×黒人のハーフである子供達に「黒人であることは誇りだ」と言い、外の世界は黒人に対してまだまだ偏見の目があることを伝え「強くなれ」と教えています。
「自分の文化を誇りに思うこと」それこそが未来のアフリカを担う子供達に必要な教育なのです。(日本人も日本の文化を継承していくことがとても大事だと思います)
なぜ私がアフリカの問題を意識するようになったのか?
まずはじめに、私はこんな人物です↓
・夫はフランス海外県マルティニーク島出身
・夫の祖先は、アフリカが連れてこられた黒人奴隷
・夫と一緒に、アフリカの歴史・問題等について勉強中
カリブ出身の夫は今、自分のルーツであるアフリカについてyoutubeなどで勉強しています。夫はよく「自分が生きているうちにアフリカが完全に独立することを願っている」と言っています。夫が聞いている番組を始めはなんとなく聞いていたのですがとても興味深く、真剣に聞くようになりました。
西欧諸国がやってきた何百年と続く黒人奴隷制度に対し、植民地支配国で今も世界で唯一植民地を持ち続けているフランスは植民地国に謝ることもせず、今もなお自分たちの所有物としてアフリカをとらえています。
夫の祖先はアフリカから連れてこられた黒人奴隷で、夫は自分の本当の名前を知りませんし、自分のルーツであるアフリカにいる家族の名前も知りません。今日まで、白人支配者の名前を無理やり付けられて生きてきました。その辛さを、私達日本人が完全に理解することはできません。
黒人と結婚したことで、「日本」とは全く別の次元で生きている人たちがいることを日々感じています。きっと日本人と結婚していたら、見えていた世界は180度違うでしょう。
今、私の思いは夫と同じく、「自分が生きている間にアフリカが完全に独立し、飢餓・貧困・内戦のないアフリカ人の本当の強さを発揮できる環境になってほしい」と切実に願っています。
【アフリカを知るyoutube番組紹介】
よく視聴しているyoutube番組は、アフリカ人によって運営されている番組。哲学的な話もあって、とても興味深いです。日本語バージョンがないのですが、フランス語が分かる人はぜひ視聴してみてください。
最後になりますが、
アフリカで国際協力を目指している方にはぜひ、アフリカの歴史を勉強してほしいです。過去の歴史から学ぶことはたくさんあります。逆に、過去を知らずして今のアフリカを援助するのはナンセンスです。
「アフリカ」がどういう国で、なぜ昨今のような状況に陥っているのか?
まずは、根っこにある問題をよく理解することが重要なのではないでしょうか。
アフリカにルーツを持つ夫がよく言う言葉があります。アフリカ人の思想にも通じる言葉ですが、
on n’a pas le doit de se suicider.on doit conbattre
どんなに辛くとも、自ら命を絶つことはできない。最後まで戦わないといけない。
mourire ou se battre? 死ぬか?戦うか?
どんなに迫害され、殺害され、差別を受け続けても、消して明日への希望を失わない。それは、人類の起源が生まれた土地に暮らす者の責任なのかもしれません。
風の時代に突入し、確実に風向きは変わってきています。
戦争のない世界、差別のない世界はあると信じて、私はこれからもアフリカを応援し続けていこうと思います。
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