こんにちは、ひろぴです。
フランス国籍のカリビアンの夫&女の子2人(5歳&3歳)と、日本の田舎でバイリンガル育児を実践中です。
この記事を開いてくれたあなたは今、このような悩み&疑問を抱えているのではないでしょうか?

・2カ国語を話す子供の言語発達状況を知りたい
・日本在住、日仏家庭における言葉のルールを知りたい
・日本でバイリンガル育児って難しいの?
・国際結婚をして、日本で子育てをしていてバイリンガル環境に不安がある
このブログをはじめてから、子供たちの日本語&フランス語の発達状況を記録してきました。
2021年の11月の保育園での懇談会で、5歳長女の保育園での様子がちょっと気になりこんな記事を書きました↓

【5歳長女の保育園での様子】
「言いたいけど、うまく言葉で伝えられない」
留学したての頃、私もそんな気持ちだったので、長女の気持ちが痛いほどわかります。
大学で継承言語を研究している先輩に相談したり、バイリンガル育児の専門サイトにメールで相談したりと、親として今何ができるかを真剣に考えました。
とても、丁寧で的確な回答をもらい、今実践中です。
しかし!一度決めたルールを変えるのはなかなか大変。
そんな長女について【5歳7カ月になる今現在の状況・悩み&解決策】をお伝えします。
・今抱える問題点
・専門家からの回答&改善点
・長女の変化
バイリンガル育児の環境はそれぞれですが、同じ状況で悩んでいるあなたの参考になれば嬉しいです。
5歳児のバイリンガル育児が難しいと感じる理由4つ
子供達が成長するにつれ、バイリンガル育児の難しさを少しずつ感じはじめています。
お子さんをバイリンガルに育てられた方々の体験談を聞いても、本当に十人十色。
例えば、
・一話者一言語を徹底する
(一話者一言語:父母、それぞれの母国語で子供と話すことを徹底する)
一般的には、両親それぞれの言語で話しかけることがよいとされています。(一話者一言語)
一話者一言語のルールが一番バイリンガルへの近道なのかもしれません。

知り合いの日本で産まれ育ったドイツ人のハーフの子は「日本のお友達も、家では家族とドイツ語で話している」と思っていたみたいだよ。そのくらい、家でのドイツを徹底していたなんてスゴイ!
実際に今、5歳の長女が抱えている問題を例にして、私が感じる「日本でバイリンガル育児をする難しさ」について、今現在思うことをお伝えしていきます。
【バイリンガル育児が難しいと感じる理由4つ】
・日本の学校教育の多言語環境で育つ子供の対応
・日本に住んでいるから日本語は勝手に身に付くわけではない
・相談できる人がいない
私も「これでいいのか」と悩む日々ですが、バイリンガル育児を実践中のママ&パパの参考になれば嬉しいです。
マニュアルのないバイリンガル育児
うちの子供たちの家での会話は、この様に使い使い分けてきました。
・家族の会話はフランス語
・母親の私と2人でいる時は日本語
日本で生活しているのだから「日本語は小学校に入ってから自然に身に付く」と思っていました。
保育園にも通っていますし、日本語に触れている時間の方が圧倒的に長いはずです。
ですが、5歳半になった長女について色々心配なことが増えてきました。
そして、保育園の懇談会で担任の先生とも話し、5歳長女が直面している問題について教えてもらいました。
・出来ないことをお友達から指摘され泣いてしまう
・日本語の語彙力が乏しくて、自分の気持ちをうまく伝えられずよく泣いている
言葉の問題と、発達面の問題が複雑に絡み合って、少し情緒不安定になっているようです。
見た目の違いに敏感になってきている長女。
言葉で自分の気持ちをうまく伝えられないことで、長女が内気な性格になることが一番心配です。
【日本の学校教育の壁】多言語環境で育つ子供への対応
2カ国環境で育つ子どもにとって、日本の教育を受ける盲点は、2カ国語を話す子供の事例が少ないことです。
2カ国語で育つ子供への理解がまだまだ十分ではありません。
日本語が遅れている子どもたちへの、特別な対応を基本的にはしてくれないように感じます。
事例がないゆえに、恐らく保育園の先生も言葉でうまく伝えられない長女に、どう対応していいのか?頭を悩ませる場面もあると思います。
日本の公立学校で、2カ国語を話す子供に対して言葉の遅れを理解してもらうことは難しく、先生たちはハーフの子どもにも同じ日本語理解力を求めるでしょう。
しかし、小学校入学時から他の日本人のお友達と同レベルの理解力を求められても、恐らく無理です。
一方、移民や人種が入り混じっているフランスはどうでしょうか?
移民が多いフランスでは一つのクラスに様々な人種が入り混じっています。
両親がフランス語を話さない環境で育つ子供だっています。
先生は、フランス語が母語でない子供たちへの対応も慣れているはずです。
どうしても日本の学校教育を受けさせたくないなら、親が違う学校を検討するしかありません。
経済的に余裕があれば、インターナショナルスクールなどを検討するのも一つの選択肢なのかもしれません。(うちは無理ですけね💦)
日本に住んでいるから日本語が勝手に話せるようになるは嘘
「保育園に入ったら、日本語の方が圧倒的に優位になる」そう思っていました。
でも、それは思い込みでした。
長女の参観日の様子だとお友達や先生との会話のやりとりが少ないように感じたのです。
その理由は、日本語のインプット・アウトプット量。
過ごす時間は保育園の方が長くても、アウトプット量は家で使うフランス語の方が多いのです。
小学校にあがれば、日本語を見聞きする時間が圧倒的に増えます。
それまで優位だったフランス語が一変してしまうかもしれません。
もしくは、授業についていけず学校が苦痛だと感じるかもしれません。
バイリンガル育児に成功したかどうか?は結果論でしかなく、子供が小さいうちは何が正解かなんてわかりません。
現在進行形で、日本語を話そうとしない娘と日々格闘しています。
子供はその時の環境に大きく左右されるものです。
小学校、中学校、高校……と続き、子供の興味も変わっていきます。
日本で暮らしていても、外国人親の言葉や文化に興味をもてる環境を用意してあげることが、バイリンガル育児で一番大事なことかもしれません。
小学校に入れば宿題も出るので、フランス語を見聞きする時間がなくなってしまわないか、ちょっと心配です。
今まで家では以下のことを徹底してきたので、家での会話がフランス脳になっています。それゆえ、急に話す言葉を変えるのはなかなか難しいのです。
・家ではフランス語アニメのみ
・パパとはフランス語
新しい年を機に、日本語オンリーで話しかけていますが「ママ日本語イヤ」と言われてしまいました。
長女は、私にフランス語で話してほしいようです。
「ファミリーランゲージポリシー(家族の言語ルール)」は生まれた時にはじめるものであって、あとからルール変更はできないんだと思い知らされています。
相談できる人がいない
日本でのバイリンガル育児はかなり孤独です。
まず、周りに相談できる人がほとんどいません。
私達が暮らしている地方だとなおさらです。
今もですが「コレでいいのか?」と、バイリンガル育児について悩みことはしょっちゅう。
常に現在進行形で娘達の言語発達状況は変わっていきます。
一般的に、バイリンガル育児の世界では「一言語一話者」がいいとされています。ただ、うちはこの方法を取り入れてはいませんでした。
我が家が「一言語一話者」のルールを取り入れなかった理由は、
・日本語が全く上達しないパパとのコミュニケーション手段であるフランス語を絶対的なものにしたかったから
しかし、結果的には、年中になった長女は今、日本語の語彙力不足という問題が浮上しています。
私も、留学当初、言葉の壁にぶつかりました。だから、長女の「言葉で伝えられないもどかしさ」は痛いほどわかります。
私自身も、フランス語0→日常会話レベルにまでは達しましたが、バイリンガル教育についての知識はありません。
「できるなら、今の長女の状況を相談し、豊富な知識をもつ専門家の方に相談したい」
でも、普通は周りに相談できる人なんていないので、実践的なトライ&エラーになってしまうわけです。
バイリンガル育児の悩みを解決する具体的な方法
先の項目で、日本でのバイリンガル育児が難しいと感じる理由をお伝えしました↓
・マニュアルがない
・日本の学校教育の多言語環境で育つ子供の対応
・日本に住んでいるから日本語は勝手に身に付くわけではない
・相談できる人がいない
・専門家に相談する
・専門家のアドバイスを元に学校にも理解してもらう
・日本語の遅れは、生活の中で楽しく遊び感覚で言葉を学ぶ
・今ではなく、未来を見据えて接していく
・母語習得の目的をもう一度明確にし、環境を整える
次の項目で、上記↑の問題を解決するために、具体的に実践していることをご紹介していきます。
専門家に相談する
長女の保育園での様子を知り、継承言語の研究をしている知人に相談しました。
抱負な知識をもった専門家にアドバイスをもらうことが、解決策への一番の近道になると思ったからです。
5歳長女の今現在の悩み↓
・5歳長女の日本語語彙力不足
・言葉で伝えられないゆえの情緒不安定
・保育園の先生たちのバイリンガル環境で育つ子供への理解
これらの問題も解決するために、日本人の私と子供の会話を、日本語オンリーに変えていくことにしました。
バイリンガル育児は、マニュアルがないだけに、先輩たちの成功体験はとても参考になります。
私の成功&失敗体験も、あなたの役に立てば嬉しいです。
専門家のアドバイスを参考に、学校の先生にも理解してもらう
「保育園の先生には日本語の遅れについてはもう少し見守ってもらうように」と、外国人親が母語で話しかけるメリットについて説明している、このような資料↑をもらいました。
資料を簡単に要約すると、
逆に、日本で暮らす外国人親が日本語で子供に話しかけると、こういう心配がでてきます↓
地方では特に、外国にルーツをもつ子供の理解や支援はまだまだ行き届いてないように感じます。
学校の先生たちも、事例がないからどうしていいのかわからず、バイリンガル環境で育つ子供たちを日本人の子供と同様の発達を期待してしまうのでしょう。
まずは、親が2カ国語環境で育つ子供を理解し、学校の先生方にも理解してもらうように働きかけることが大事なんじゃないかと思います。
【日本語の遅れ】生活の中で楽しく遊び感覚で言葉を学ぶ
家での日本語を強化するために、新しく取り入れたのが就寝前の絵本の読み聞かせです。
今までは、フランス語を伸ばそうと思っていたので、あえて日本語の絵本を読む機会を作らず、日本語の絵本の読み聞かせをほとんどしていませんでした。
親がそれぞれの母語で話しかけながら、日常触れる機会の少ない言語を意識して取り入れることが大事なようです。
バイリンガル育児をする上で【日常生活で意識するポイント】も教えてもらいました。
・日々の会話も「話しかける」だけでなく、子供との「やり取りをする」という意識をもつ
・言葉遊び・手遊び・歌を取り入れ、楽しく学ぶ (なぞなぞ/しりとり/言葉集め 等)
遊び感覚で楽しく学ぶ、というのがポイントですね。
専門家の方から、就学前に日本語の【読み書き・文字・数字】などの勉強の土台作りがどのくらい進んでいるのか?も就学前から見守っていく必要がある、とアドバイスをもらいました。
目安としては、就学前年(5歳代)までに、
- ひらがなの清書(あ~を、んは抜く)をすべて読める
- 数字1~10までが読める
- 簡単な計算(答えが10までの足し算)ができる
- 語彙(曜日・動物・花の名前)が言える
- なぞなぞ遊びができる

これは、あくまで目安です。5歳の長女は、まだひらがなも読めませんし、計算もできません。「勉強」という感じで学ぶのではなく、子供が生活の中で楽しく学んでくれることが、子供のやる気にもつながります。焦らずに、がんばりましょう。
バイリンガルへの道のりは長い【大事なマインド】
長女が生まれて5年。(うわっ!まだ5年)
たった5歳の長女の日本語の遅れについつい一喜一憂しちゃうんですが、実はバイリンガル環境で子供を育てていくうえでもっと大事なことがあると思っています。
それは、バイリンガル育児をするうえでのマインドです。
【バイリンガル育児で大事なマインド】
・母語習得の目的をもう一度明確にし、環境を整える
・何語ができない!に拘り過ぎない。家族楽しく、豊に関われる言語環境が一番大事
今ではなく、未来を見据えて接していく
子供の日本語の遅れについて、一番はじめに悩む時期が幼児期。
周りのお友達が自分の子と比べて、おしゃべりが上手になってくると「なぜうちの子供はお話できなんだろう」と悩む時期です。
ですが、今の状況に一喜一憂されるのではなく、未来を見据えもっと広い視野で子供達を見守っていくことが大事だと最近感じます。
たとえば、
・ハーフのお友達&フランス語を話すお友達との交流
・興味のある分野の課外活動(長女の場合は、ダンス・音楽など)
専門家の方から、具体的にアドバイスをもらえたことで、多少日本語が遅れていても他の日本人のお友達と比べる必要はない、と思えるようになりました。

むしろ、2カ国語を話せることは、将来子供達にとって「武器」になるはず。
マニュアルはあってないようなもの、自分たちなりのマニュアルを作っていけばいいんですよね。
言語習得の目的設定をもう一度明確にし、環境を整える
子供は大きくなるにつれて周りの友達との関わり合いや、自分の興味によっても、言語習得速度はかわってきます。
言語習得の目的設定はとても大事です。

ひろぴ―は大学でフランス語を専攻していたけど、「学生の時はフランス語を使って何をしたいのか」が明確じゃなかったから、当時はモチベーションも下がってたなぁ。
「なぜその言語を学ぶのか」がきちんと見えていれば、あとはやる気次第で何とでもなります。
その言語を学ぶ意味をちゃんと伝えていき、子供のモチベーションをあげる環境作りも大事です。
また、言語は「伝えるためのツール」ですが、自分を伝えるための武器は言語だけではないはずです。

フランスに留学していた時に出会った人たちは、みんな個性的でした。ピアニスト・パティシエ、靴職人etc…みんなそれぞれ得意なものがあって、言葉はそれを伝えるため手段。だから、あまり言葉ができないことに執着しすぎないことも大事かも。
言葉ができないことで辛いと感じることがあっても、自分が得意なのことで自分を表現できるようになってほしいと思います。
まとめ
「バイリンガル」と聞くと、ちょっと響きはいいですよね?
ただ、実際にバイリンガル育児をしてみると「すんなりいかないよな~」というのが本音。
日本で、多言語環境で子供を育てる難しさを、ひしひしと感じます。
今回お伝えしたかったことを、サラッとまとめてみます。
【バイリンガル育児が難しいと感じる理由4つ】
・日本の学校教育の多言語環境で育つ子供の対応
・日本に住んでいるから日本語が勝手に身に付くは嘘
・相談できる人がいない
【今現状での解決策】
・専門家のアドバイスを元に学校にも理解してもらう
・日本語の遅れは、生活の中で楽しく遊び感覚で言葉を学ぶ
【バイリンガル育児で大事なマインド】
・母語習得の目的をもう一度明確にし、環境を整える
・何語ができない!に拘り過ぎない。家族楽しく、豊かに関われる言語環境が一番大事
2カ国語環境で子育てをしていると、片方の言語ができないことにヤキモキしてしまうことがあるんです。
いや、周りから指摘されて「アレ?大丈夫かな?」と思ってしまうことの方が多いかもしれません。
バイリンガル育児は長期戦とわかっていても、今の長女の言語レベルでしか判断できない。
だからこそ、多言語環境で育つ子供をたくさん見てきた、言語の専門知識をもっている人のアドバイスはとても心強いです。
アドバイスをもとに、家での日本語会話量を少しずつ増やしていこうと思います。
家での日本語会話を強化して、子供たちの反応はどうだったのか?
また、レポートしますね。
では、また!
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